「転職フェアってどんなものなのだろう?」
転職を検討している方の中には、こうした疑問を持っている方がきっと多いのではないでしょうか。
私自身も「マイナビ転職フェア」というイベントの存在は知っていたものの――

「参加者のリアルな声が少なすぎて、どんな雰囲気なのか想像もつかない……」
「本当に転職活動に役立つのか不安……」
――といった不安があり、参加をためらっていました。(ネットで検索しても、アフィリエイト目的のテンプレ記事ばかりで、実際の体験談が見つからず困っていませんか?)
そんな自分を変えるべく、今回は実際にマイナビ転職フェアに足を運んで参加してきました。
この記事では、会場の雰囲気や企業ブースでのやりとり、良かった点・イマイチだった点などを率直にレポートしています。
- 「本当に参加する意味はあるの?」
- 「服装や会場の雰囲気は?」
- 「企業ブースではどんな話ができるの?」
こうした疑問をお持ちの方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
- どんな人にマイナビ転職フェアが向いているか
- 出展企業の傾向(業種・年収・採用姿勢)
- 会場入りから受付までの流れと雰囲気
- 初心者が参加前に知っておきたい注意点
この前編では、転職フェアの全体像や会場の雰囲気を徹底解説します。そして後編では、実際に企業ブースでどんな会話があったのか、どう立ち回れば良いのか、より実践的な内容をお届けしますので、そちらもぜひ参考にしてください。
また筆者はITエンジニア職のため、ITエンジニアとしての目線で「エンジニアが参加して得する点・そうでない点」なども個別にまとめています。
マイナビ転職フェアとは?
マイナビ転職フェアは、株式会社マイナビが主催するオフラインの合同企業説明会です。
全国各地で通年開催されているため、一度公式サイトで最新情報をチェックすることをおすすめします。
👉 マイナビ転職フェア公式サイト
結論
マイナビ転職フェアは、さまざまな業種・職種の企業が集まる総合型の転職イベントです。
そのため「この業界のみで転職したい!」と目的が明確な方は、希望の企業が少なく感じるかもしれません。
逆に言えば、
- 「転職活動の雰囲気をまず知りたい」
- 「いろいろな業界の話を聞いてみたい」
という方にとっては、非常に有意義な場だと感じました。
オススメしたい人
- 転職活動を始めたばかりで、業界や職種をまだ絞っていない方
- 営業職を検討している方
- 初めて転職フェアに参加する方
- 企業ブースで人事や社員と直接話すことに抵抗がない方
- 気になる企業が実際に出展している方
オススメできない人
- 対人スキルより職務経歴や実績でアピールしたい方(技術職など)
- すでに業界・職種に絞って転職活動を進めている方
- 公務員や大学法人の事務職を希望している方
- 高い年収を軸に転職を考えている方
- 押しに弱く、勧誘を断るのが苦手な方
▶ 理由・補足解説
1.出展企業の業種に偏りがある
以下のグラフは、私が参加した回(東京都内開催)の出展企業の業種内訳です。
出展企業数は103社、求人数は136件でした。


ご覧の通り、営業職の求人が多いことが分かります。
また、他地域開催のフェアでも、36社中17社以上が営業系を募集しているなど、「営業職比率の高さ」は全国的な傾向です。
技術職やバックオフィス系の求人もそこそこあります。
しかし、数は限られており、希望する職種の企業が全く出展していないケースも少なくありません。
そのため、「この業種・職種しか考えていない」「技術職で条件面をじっくり比較したい」といった方は、
専門職向けの転職イベントやスカウト型サービスの併用を推奨します。
とはいえ、まだ方向性が定まっていない段階であれば、この“幅の広さ”がメリットです。
「話してみたら意外と興味を持てた業界」といった“偶然の出会い”があるのも、こうした総合型フェアの魅力と言えるでしょう。
2.人気企業は説明会形式が多い
企業の出展ブースにて、採用担当者や先輩社員と直接話ができるため、仕事内容の詳細や給与、休日・残業についてなど、気になることを質問することができます。
マイナビ転職フェア公式サイトより
残念ながら、そうとは限りません!!
転職フェアの魅力のひとつに「企業の担当者と直接話せる」点がありますが、人気企業ほど説明会形式1で、個別対応がほぼないケースもあります。
例えば、特に人気のある区役所や税務局のような行政機関。
また、大学法人の大学職員のブースでは、15分程度のグループ説明会のみで終わってしまい、せっかく現地まで足を運んだとしても、深い話はあまりできない場合もあります。
3.想定年収はやや低め
会場で提示されていた出展企業の「想定年収(下限)」ですが、350万円~が中央値でした。(東京開催の場合)
これは「未経験歓迎」の求人が多いことを考えれば妥当とも言えますが、「収入アップ」を目標とした転職をしたい方にはやや物足りない水準です。


また、450万円以上の求人は、
・経験者採用の技術職
・販売系の店長候補
などに限られ、完全週休二日制・年間休日120日以上といった条件もクリアしていないケースが多いです。
※「年収250万円~」といった求人の多くは、地方勤務が前提となっているケースがほとんどです。これは、地方の平均賃金水準を反映していると言えるでしょう。(地方の給与って本当に低い)
職場2が東京都の20代の平均年収は?
◆ 20~24歳:約367.4万円
◆ 25~29歳:約468.3万円
ただし平均年収は一部高所得層に引っ張られて高めに出ます。実態を知るには中央値(平均の8~9割)で見る方が現実的。
実質は20~24歳で約300万円、25~29歳で約400万円あたりが「現実的なライン」と言えるでしょう。
参考:令和6年賃金構造基本統計調査
4.不人気な業種・職種ほど勧誘が強い
偶然の出会いがあるのは転職フェアの魅力ですが、なかには「無理やり偶然にしようとする」企業もあるので注意が必要です。
会場内を歩いていると、こちらの希望職種関係なく声をかけてくる企業もいます。
なかには、半ば無理やりその場で面接日程を決めようとするなど、やや強引と感じるケースも。
押しに弱い方や、勧誘を断るのが苦手な方はストレスになりやすいです。
そのため、「必要なときはきっぱり断る」ことも大切です。時間のロスにつながります。
こぼれ話:声掛けに見境がなさすぎる業種
後述しますが、受付で希望職種のシールを貼ると、該当業種の企業から声を掛けてもらいやすくなります。
そのため、1種類しかシールを貼っていない=その業種にしか興味がない、という意思表示のはずなのに、それでも絶対に声をかけてくる業種があります。
そう、ダントツで生命保険会社。
奴らはシールなんて一切見ず、年齢と性別だけで話しかけてきます。
「興味ないです」とハッキリ伝えても、
「え~、きょうみないんですかぁ~⤴」(※本当にこの言い方)
と返ってきます。無敵かよ。
5.書類選考より「面接勝負」な人向け
当日の受付票に細かい職務経歴欄はありません。面談では口頭で自分自身の経歴や熱意を伝える必要があります。
人事部長クラスがブースに座っている場合も多いため、印象良く話せれば、即日、次の選考ステップに進める可能性も十分にあります。
そのため、書類選考に弱いけれど、話せば強いタイプの方には非常に向いていると感じました。
逆に、口下手だけどスキルに自信のある技術職の方には、あまり向かないイベントです。
参加してみて実感した“向き・不向き”のまとめ
私自身はITエンジニア職に絞って転職活動をしていたので、今回のような総合型イベントが「自分には合わない」と感じる部分も正直ありました。
ただし、転職活動初期にこうしたイベントに参加し、「自分に合う・合わない」を体験的に確認できたのは大きな収穫です。
ここからは、会場の雰囲気や当日の流れについて、実際の体験をもとにご紹介していきます。
事前準備と会場入りまで
▶ 事前準備
- マイナビ転職への会員登録
- マイナビ転職アプリのインストール
この2つは必須です。
会場内で企業ブースを訪問する際には、マイナビ転職アプリでブースに設置されたQRコードを読み取る必要があります。
そのため、事前にアプリをインストールし、ログインまで済ませておくと安心です。
※公式サイトによるとスマホが無くても参加できる救済措置はあるようです。
また、出展企業の情報は約1か月前に人気な「注目企業」が、約2週間前には「全出展企業」の情報が公式サイトに掲載されます。
業種や職種に希望がある場合は、早めに確認しておくことをおすすめします。
特に地方開催では、希望職種の企業が1社も出展していないという場合もあるため注意が必要です(東京開催ではあまりありませんが……)。
なお、転職フェアに参加する前に揃えておきたい持ち物や準備事項については、別の記事にまとめていますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
(※リンクは後ほど追加予定)
▶ 会場入りから受付まで
会場入り


会場は、参加回にもよりますが、たいてい大きなホールを備えた施設です。迷うことはまずないでしょう。
私が参加したのは「20代の転職を応援!」というテーマの回だったため、参加者は若い方が多め。
「初めて来ました!」感を出してオロオロしていても、全く浮きませんでした。安心してください。
昼食は事前に考えておいた方が良いです。施設内にレストランがある場合もありますが、価格はやや高め。
周辺に飲食店が少なく、結局コンビニで済ます羽目になるケースもあります。 余談
受付
受付は非常にスムーズ。事前登録したアプリでQRコードを読み取るだけです。
その後、以下の物が配布されます。
- 受付票
- 企業ブース紹介冊子
- 希望職種のシール
1.受付票
紙の受付票には、事前に入力した以下の情報が印字されています。
この票は企業ブース訪問時に提出するため、入力はできるだけ詳細にしておくのがおすすめです。
企業に興味を持ってもらいやすくなります。
- 住所や連絡先などの個人情報
- 最終学歴
- 職歴(企業名・在職期間など)
- 希望条件
- 保有資格や語学スキル
なお、受付票には具体的な職務経歴(プロジェクト名など)までは記載されません。
これは「向いていない人」の項目でも述べた通りですが、企業側に詳細な経歴は伝わらないため、口頭である程度説明できるように準備しておきましょう。
2.企業ブース紹介冊子
出展企業の配置や、各企業の基本情報が掲載された冊子です。
メモ欄もあるので、気になった企業や会話内容をその場で記録できます。
掲載情報の例:
- 募集職種
- 雇用形態
- 想定年収
- 勤務地
- アピールポイント
3.希望職種シール


写真のような職種名が記載されたシールを胸元に貼って会場内を回ります。
企業はこのシールを見て声をかけるか判断するため、希望する職種はすべて貼りましょう。
私はIT業界しか希望していなかったためこのシールのみでしたが、すべて貼っている猛者もいました。
もちろん、興味のない業界のシールまで貼ると、不要な声掛けが増えるので注意です。
▶ 会場・来場者の様子
年齢層
来場者の7割程度は20~30代といった印象でした。
若いからか、友人同士やカップルで参加している人たちもちらほらいました。(応募先が重複したらライバルになるけど平気なんだろうか……)
服装
「私服でもOK」と案内されている場合でも、実際には9割以上の参加者がスーツを着用しています。
希望する職種がスーツを着用する業種である場合や、周囲の目が気になる方は、スーツでの参加をおすすめします。
会場内の様子
「混みすぎず、空きすぎず」ちょうどいい来場者数です。
開場直後&13時~15時が一番混雑していました。
企業側の声掛けも、(一部業種を除けば)わりと控えめでスマート。落ち着いた雰囲気でした。
会場内には来場者特典として「履歴書写真の撮影コーナー」が設けられています。
ただし、ここはかなり混みやすいです。
撮影を希望する人は、時間に余裕をもって動くようにしましょう。
私もそうですが、皆さんやはりタダには弱いのでしょうね。
まとめ
会場の雰囲気や受付の流れがわかれば、もう怖くない……かと思いきや、ここからが本番です。
次回の【後半】では、実際に企業ブースをどう回ったか、企業とのやり取りを、体験ベースでレポートしていきます。
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