転職活動を進めている皆さん、転職フェアへの参加は検討されていますか?しかし、実際に参加するにあたり、何を準備すべきか迷うことはありませんか?
主催者側が推奨する持ち物や服装に関する情報は山ほどありますが、参加者目線での実践的な意見・体験談は、インターネット上にほとんど見当たりません。(お金にならないからね……)
この記事では、筆者が実際に参加した経験に基づき、転職フェアで本当に揃えておくと良いものについてお伝えします。
※すでに転職フェアに参加しようとしている方には不要かもしれませんが、時間があれば、併せて『転職活動前に準備すべきこと』についても確認ください。

- 転職フェアに参加する「前」に、何を準備すべきか
- 転職フェアの当日に役立つ持ち物と服装の具体的なアドバイス
- 筆者の実体験に基づく、効果的な情報収集と企業とのコミュニケーション術
転職フェア参加前の準備事項
転職フェアを最大限に活用するためには、当日を迎えるまでの準備が不可欠です。以下に、筆者の経験に基づく具体的な準備事項を解説します。
1. 転職活動・転職フェア用のメールアドレスを作成する
『転職活動前に準備すべきこと:実体験に基づく準備ガイド』の記事でも書きましたが、普段使っているメールアドレスとは別に、転職活動・転職フェア専用のメールアドレスを作成することをおすすめします。特に転職フェアに参加するなら、これは絶対に作った方がいいでしょう。
なぜなら、企業からのスカウトメールや連絡のやりとりが、個人のプライベートなメールボックスや現職関連のメールに埋もれるのを防ぐためです。これにより、企業の重要な連絡を見落とすことなく、転職活動におけるコミュニケーションを効率的に管理できます。
特にITエンジニアの方で『type転職フェア』のようなスカウトメール制度を導入しているイベントに参加される場合、専用メールアドレスの作成は必須とも言えます。企業からのスカウトが多数届く可能性があるため、これらを一元的に管理できる環境を整えておくことが、機会損失を防ぐ上で非常に重要となります。
ドメインはどこがいいか
キャリアメール(携帯電話会社が提供するメールアドレス)ではなく、Gmailのようなフリーメールサービスを利用することをお勧めします。
キャリアメールは、通信キャリアを変更した際に利用できなくなる可能性があり、また企業からの重要なメールが迷惑メールとして認識され、連絡が届かないリスクがあるからです。
2. 転職フェア公式サイトで参加申し込みをする
ほとんどの転職フェアには公式サイトがあり、そこから事前に参加申し込みができます。
当日、飛び入り参加も可能な場合もありますが、その場で個人情報や職務経歴の登録に時間を要します。
また、事前登録者限定で景品が提供されたり、優先入場ができたりするフェアも存在することを考慮すると、事前登録を強くおすすめします。これにより、当日の手間を省き、スムーズに入場し、すぐに企業ブースでの情報収集を開始できます。
3. 出展企業をリサーチする
転職フェア当日は限られた時間しかなく、全てのブースを訪問することは困難です(地方開催の小規模なフェアであれば、回れる可能性もあるかもしれませんが)。効率的に時間を利用するためには、事前に出展企業リストを確認し、興味のある企業を絞り込んでおくことが不可欠です。
転職フェアの公式サイトにて、出展企業リストと各社の求人概要を確認しましょう。加えて、マイナビのように主催企業が転職サイトを運営している場合は、その転職サイトに掲載されている求人情報とフェアでの求人が紐づいていることが多いです。そのため、より詳細な情報も併せて確認することをお勧めします。
転職フェアのサイトでは、企業の事業内容、募集職種、給与水準が要約された情報しか記載されていないことが多いため、転職サイトを見るほうがいいでしょう。
※フェア用の求人票には月給しか記載されておらず、蓋を開けたら基本給が17万以下の場合もあるので、注意が必要です。
4. 訪問したい企業に優先順位を設ける
一日中参加しない場合や、多数の企業が出展している場合は時間が限られます。そのため、「絶対に訪問したい企業」「時間があれば訪問したい企業」「今回は訪問しない企業」といった形で優先順位を設けておくことをおすすめします。
会場の賑やかな雰囲気や情報量の多さ、客引きに圧倒され、冷静な判断が難しくなることがあります。そのため、自宅など落ち着いた環境で、事前に訪問企業のピックアップと優先順位付けを行っておくことが賢明です。
5. 企業への『質問リスト』を作成する
企業が転職フェアに参加する目的は、単に多くの候補者を集めるだけでなく、ウェブサイト上では伝えきれない企業文化や職場の雰囲気、社員の人柄などを直接伝えることにあります。また、応募者の意欲やコミュニケーション能力を対面で評価し、自社にマッチした人材を効率的に見出すことも重要な目的の一つです。
このような企業の意図を理解し、好印象を残すためにも、ぜひ事業内容やご自身のスキルマッチ度を事前に確認しておくことをおすすめします。また、事前に質問内容をリストアップしておくことで、聞き漏れを防ぎ、知りたい情報を的確に収集できます。具体的には、以下の点を参考に質問を準備しましょう。
- 具体的な事業内容や、入社後に担当する可能性のある仕事内容について
- 1日の業務の流れや平均残業時間の実態について(できれば全部門での平均ではなく、募集部門の内容を聞きましょう)
- 具体的なキャリアパスや研修制度について
- 企業の強みや今後の事業展望について
- 入社後の評価制度や昇給の基準について(たま~に、初任給は高いのに昇給制度がカスな企業もあるため。先に確認しておくことで後々のミスマッチを防ぐことができます。)
あと、企業側は隠してはいるんでしょうけど、コミュニケーション能力や態度、マッチング度などを〇段階評価で採点して手元の紙に記録しているのを、私は結構な頻度で盗み見してしまいました。後日、連絡するに値するかどうか判断しているんでしょうね。
「どのような事業をされていますか?」といった、事前に調べれば容易に確認できる内容は避け、より踏み込んだ、ご自身のキャリアに関わる具体的な質問を準備することが、企業への関心度を示す上でも効果的です。
話が盛り上がればこちらの勝ちです。
6. 身だしなみを整える
新卒時の就職活動のように細部まで意識する必要はありません。リュックサックはダメとかスカートでないとダメとか、そういう謎マナーもありません。(中途採用でそんなものがあるところはこちらから願い下げです)
しかし、清潔感は必要だと感じます。身も蓋もない話ですが、転職者は新卒よりも年齢を重ねているため、生きているだけで清潔感が出る歳は過ぎています。服のシワや寝癖がついているだけで汚く見えるんですよね。
そういった意味でも、しっかりとした身だしなみは周囲の参加者との差別化を図れるため非常に重要です。具体的なチェックポイントは以下の通りです。
- 体臭への配慮(特に口臭。喫煙者は想像以上に匂います)
- 靴や鞄の汚れ
- 服装のシワやヨレ
- 髪・眉(男女問わず、印象に対する費用対効果が高い)
また、ご家族やご友人に客観的な意見を求めることも有効でしょう。
7. 簡潔な「転職動機・職務経歴」の準備
ブース訪問時、絶対に尋ねられるのは転職動機です。短時間で説明できるように準備しておきましょう。
もちろん、今すぐの転職を考えていない方、あるいは情報収集が主な目的の方は、その旨を正直に話して構いません。そうでないと、「ぜひ応募を!」と企業が前向きに検討し始めるので、誤解を招かないためにも正直に伝えるのが賢明です。
自己紹介は参加した限り、私はほぼしませんでした。大体企業に提出する転職フェア用の履歴書(フェア側が用意)を見ればわかるからです。
逆に職務経歴はフェア用の履歴書に詳しく書く欄が無いことが多いので、事前に30秒〜1分程度で話せる内容を準備しておくことで、スムーズに自身の経験や興味を伝えることができます。
- 自身の得意な技術や具体的な経験
- 当該企業に興味を持った理由
- 訪問企業の職種が未経験の場合は強い志望動機、独学内容や取得済みの資格など
転職フェア当日に役立つ持ち物の準備
ここでは、当日に会場で特に意識して携行すべきアイテムと、服装に関してです。
必須級の持ち物
スマートフォン
転職フェアにおいて極めて重要なツールです。受付時のQRコードによる入場や、各企業ブース訪問時の情報読み取りに利用されることが多いです。また、企業情報の検索や、企業からの連絡確認のためにも、携行は必須です。(無くても参加はできますが、スタッフによる別対応が必要なのでめんどくさいです)
また、長時間の使用を考慮すると、スマートフォンの電池切れは当日の活動に支障をきたすため、モバイルバッテリーの携行を強く推奨します。
あると便利な持ち物
リュックサック
就職活動で一般的に用いられる手提げ鞄ではなく、リュックサックの携行を推奨します。なぜなら、企業から配布される資料やパンフレットが予想以上に多くなる傾向があるためです。両手が空くため、会場内での移動や資料の管理が格段に容易になります。
「リュックサックは社会人として~」なんて言ってくるマナー講師は切って捨てましょう。もう今では40代のサラリーマンでも普通にリュックサック使っています。(※東京都の話です。他地域は異なるかもしれません)
筆記用具
会場内でパンフレットやメモ用紙が提供されることはありますが、筆記用具は用意されていないケースも多いため、持参を推奨します。
ブース訪問中は対話に集中すべきですが、後で企業の情報を整理・比較検討する際に役立つよう、企業名や担当者名、会話のポイントなどを簡潔に記録しておくことが有効なためです。
飲料水
3ブース以上訪問したい場合は用意するといいでしょう。転職フェアの大半は1対1で話し続けるので単純に喉が渇きます。
✔クリアファイル
必要な場面が無いです。仮に必要でも、パンフレットをクリアファイルに挟んで提供する企業が1社くらいはあるため、それを使いまわせばいいです。個別に持参する必要性は低いと感じました。
✔履歴書・職務経歴書(紙媒体)
前述の通り、フェアの参加申し込み時に登録した内容をもとに、フェア側が用意するフォーマットで企業に情報が提供されるため、紙媒体の提出機会はほとんどありません。
✔名刺
企業担当者から名刺を渡されることはあっても、転職活動中の参加者が自身の名刺を渡す機会はありません。
まとめ
転職フェアは、ヒューマンスキルで勝負できる人の転職活動を加速させる貴重な機会です。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、事前の準備が何よりも重要になります。
この記事では、私の経験に基づき、転職フェアに参加する前に「何を」「どのように」準備すべきかをお伝えしました。メールアドレスの作成から、企業のリサーチなど、一つ一つの準備が当日の自信と成果に繋がります。
入念な準備を通じて、あなたの転職フェアが実り多きものとなることを願っています。
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